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田中浩一郎: |
はい。北部同盟の方はもともと軍閥として発達したわけですが、将来を見越 して政党を立ち上げる準備をしています。一方、カルザイ氏やローマに亡 命中のザヒル・シャー元国王を擁立するグループ側が、政党なり政治グルー プを結成する動きはまだ起きておりません。 |
| 山崎拓: |
出遅れていますね。今の暫定政権は各派の代表の集まりですが、それぞれが政権に加わっているという意識が薄いのでしょうか?
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田中浩一郎: |
ボン会議の合意に署名したアフガン人の代表は、必ずしもアフガン全 土を代表していたわけではありません。限られた人たちが署名したのであって、 それ以外の人間は自分たちを排除しているという印象を持っていることが課題として残 されていたわけです。ボン会議そのものが群雄割拠を容認してしまったとも言えます。 この状態は、94年の秋にタリバンが出現する間際、その前夜の状況に構造的 によく似ています。 |
| 山崎拓: |
明確に反体制の立場をとっているグループもありますか? |
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田中浩一郎: |
言葉のうえでは暫定政権を支持するとか従うとか言っていますが、 実際のところは自分たち(軍閥)の支配を徐々に確立しています。端的な例では国際治安支
援部隊を受け入れるという点に関して、総論では賛成であるが、自分が管轄する所は治安が保たれているから不
用であるというような態度を取り続けていたりするわけです。
こういう問題は当初から予想されたことで、もっと早い段階、たとえばボ ン合意ができる段階でこういう部分もちゃんと対処されていれば様子も違ったんでしょうが、
残念ながら後の祭りです。平和があり、国民を代表する政権があって、初めて復興も進
み復興支援もあり得るということをアフガン人、関係国が今一度再確認する必
要があると思います。 |
| 山崎拓: |
軍事衝突をこれ以上拡大させないための仕組みはあるけれども、強制力が働かないのでしょうか。 |
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田中浩一郎: |
ボン合意の精神では、武装解除は基本的には暫定行政機構側、つまりア フガン側の自助努力に任されています。 |
| 山崎拓: |
何かいい知恵はないでしょうか。この分野での日本の貢献は限られますか。 |
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田中浩一郎: |
東京会議において日本側が5点ほど復興支援における優先課題を挙げていますが、 武装解除の促進ということについて日本がもう少し言ってもよかったのではないかと思 っております。この点は残念です。何も自衛隊を出して武器を狩り集めるということでは必 ずしもなく、いろいろな形でインセンティブを与えて不要な武器を回収していくという方策がありますので、 そういうものに対する支援を出してもいいのではないかと思います。アフ ガニスタンに以前から関与している国では難しいのです。たとえばアメリカ は今現在軍を展開させていますし、イギリスも国際治安支援部隊に関与しています。 こういった国が武器回収をしようとすれば、あるいはそれを促進しようとすれば、 やはり自分たちにとって都合がいいように武器を狩り集めるのではという猜疑 心が生まれます。日本のように直接に関与していない国、軍事的に関与していない国、 政治的な野心を持たないと思われているような国であれば、武器を平等に狩り集 めるということはそれなりに重みも持つでしょうし、信頼も生まれるのではないかと思 います。日本の独自性が発揮されるべきではないかと思います。それは軍 を統合し武装解除を進めることにも寄与するはずなのですが。 |
| 山崎拓: |
ただ武装解除支援プログラムを支援するといっても、自衛隊が出ていって武器を渡 してくれと言って、すんなりいくかどうかわかりませんし、お金を出すから武器を売ってくれと言って全 部回収したところで、集まった武器が狙われる危険もありますね。 |
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田中浩一郎: |
お金を渡して買い上げると、結局またそのお金でまた武器を買ってしまうんですね。ですから何らかのインセンティブ、 何かに対する対価である必要はあるんですが、それを過剰に持つことができないもの、 過剰に持ってそれを売ることができないものである必要があると思います。 |
| 山崎拓: |
具体的には現地では何ですか? |
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田中浩一郎: |
地域によって、都市部であるとか農村部であるとかによってそれぞれ要 件は異なるんですが、たとえば地方であれば武器何丁に対してひとつの家屋をつくるとか、
納屋をつくるとか、井戸を掘るとか、過剰にあってもそれを売り払うことができないようなもの、
対価で武器を改めて調達してしまうようなことがないようなものに変える必 要があると思います。 |
| 山崎拓: |
せっかく東京会議を開き、日本の資金の拠出額のウェイトも高いのに、 現地ではあまり評価されないというのでは、今後の国際貢献の進め方としてあまり賢明ではないと思 いますので、今日ご指摘があったようなことは相当積極的に取り組んでいく必 要があると思います。またNGOとのコンビが非常に重要ではないかと。 |
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田中浩一郎: |
実際の現場に政府が直接出ていくことは、要員の経験上、数の関係 上、効率上からもできないでしょうから、最終的にはいろんな形でNGO に参加してもらって、彼らの意見も聞き入れて、独自性も生かしてもらって、 いろんなところに入っていただくのが能力の効率的かつ有効な使い方であろうというのは間違いないと思 います。 |