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堂本暁子: |
それから、NPO法をあれだけ苦労して作ったのに、知事になって行ってみたら、千葉はとてもNPOの遅れている県でした。ところが、NPOも活躍してくださいと言い出したら、雨後の筍のごとくできてくる。認証を取りましたとかってあちこちで声をかけられるぐらいに、どんどん増えてるんです。
環境の問題とか福祉の問題、町づくり、居住空間の問題、これは行政でやるよりは、市民が自発的にやり始めたほうが良い時代になったなと、つくづく今思います。NPO法は、3年かかってみんなで苦労して通しましたが、その甲斐があった。これからは、市民と行政のパートナーシップで環境の問題などを解決する時代に入っていると思います。
それから福祉のことも、ご飯を運んだりするのもいちいち行政のほうで決めて、上から下におろしてやるんじゃなくて、近所の人たちがみんなで寄り合って町をつくっていく、そんな雰囲気ができたら良いなと私は思っているんです。千葉県には村もいっぱいあるので、村を大切にしたい。福岡県も村がいっぱいありますか?
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| 山崎拓: |
いっぱいありますよ。僕の選挙区にはないけれど。かなりありますよ。 |
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堂本暁子: |
村おこしを村の人たち自身が始めると、とってもユニークになってくると思うんです。NPOは新しい流れを創り出すパワーになりますよ。 |
| 山崎拓: |
NPO法案をつくるときに、一番問題になったのは設立要件に公益性を入れるか入れないかでしたね。 |
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堂本暁子: |
ええ、そうでした。 |
| 山崎拓: |
今知事におなりになって、公益性の観点は大事だとお思いになりませんか? |
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堂本暁子: |
公益性は大事ですが、言葉としての「公益」はやはり使わないほうが良いと、今でも思っています(笑)。 |
| 山崎拓: |
そうですか(笑)。 |
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堂本暁子: |
一番意識改革が難しいのは県庁職員ですね。この問題については脈々と戦後50年間、民法34条の公益性を守るために許可、認可、規制が、お上としての自分たちの仕事だと思ってやってきた。そういうプライドもあれば意識もある。それが今度はこれは許可、認可じゃないんですよ、あくまでも市民の主体性を尊重するんです。だから公益は大事だけど、いわゆる「公益性」の概念や発想を切り替えるべきだと言っても、最初はなかなかわかってもらえませんでした。 |
| 山崎拓: |
僕はまだ……。 |
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堂本暁子: |
まだこだわってるんでしょ(笑)。当時と同じですね。 |
| 山崎拓: |
いやいや、そうではないNPO、公益どころか反公益の連中がNPOをかたっている組織というものが存在してるからですよ。 |
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堂本暁子: |
あの時、ずいぶん宗教団体とか暴力団とかいろいろ問題にしましたけど、実際出てきたでしょうか? |
| 山崎拓: |
なかには、変なのがあるんですよ。それを僕らは警戒して……。NPOといえば、すごく大手を振って通るというような風潮にあるものですから、流行ってますからね、危ないですよ。だけどそのネガティブな面だけを言うとNPOが育ちませんから、肯定的に取り組んでいかなくちゃならんけど、そういう組織があることは事実です。 |
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堂本暁子: |
市民、県民がきちっと情報公開させて、NPOをウォッチングするNPOができなきゃだめなんです。 |
| 山崎拓: |
そうですね。 |
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堂本暁子: |
そういう団体は行政が排除するんじゃなくて、市民、県民、国民がみんな排除していくというふうになるのが本当なんです。そう考えないと、公益性の議論に逆戻りしちゃうような気がします。逆戻りというと幹事長はおいやかもしれないけど、言葉としての公益性に戻ってしまう。さっきのゴミもそうですが、性善説でいくのは難しいですね、確かに。 |
| 山崎拓: |
NPOは環境の分野でも活躍してますか? |
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堂本暁子: |
ええ、ずいぶん参加してくれています。 |
| 山崎拓: |
そうですか。それはいいですね。 |
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堂本暁子: |
東京湾の一番奥に残った三番瀬という干潟を守るNPOがいくつもあります。三番瀬は埋め立てる予定だったんですが、私は埋め立てをもうやらないということを言いまして、その代わりにNGOの人たち、学者、一般の市民、市も県も国も環境省も国土交通省もみんな一緒になって、ここをどういうふうに自然を守るか、どう再生していくかを検討する作業を始めたんです。公共事業をやめるだけじゃダメで、じゃあその先をどうするのか、それをNGOの人たちと一緒になってやっています。 |
| 山崎拓: |
なるほど。 |
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堂本暁子: |
こうした試みは日本で初めてです。果たしてうまくいくかどうかわからない。でもうまくいったら新しい自治体の公共事業のあり方が見えてきます。 |
| 山崎拓: |
そうですね。 |
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堂本暁子: |
情報も検討会も全部公開してやってるんですが、1年ぐらいでこの先のプランをつくらなければならない。新しい発想でみんなが議論していくと、いままでただ反対、反対と言っていた人たちだけでは前に進まない。自分たちで提案しなければならない。それが大事なことです。 |
| 山崎拓: |
そうですか。三番瀬は自治の実験なんですね。 |
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堂本暁子: |
山本周五郎の小説に出てくる「青べか物語」っていうのがありますが、あれは浦安で、かつてこのへんは漁師町で、海苔をつくっていた。そこを埋め立てていって、ディズニーランドもまさにその埋め立てた上にあるんです。東京湾のなかでは最後に残った自然で、鳥がいっぱいきます。みんなバードウォッチングして。 |
| 山崎拓: |
それはいいですね。 |
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堂本暁子: |
ええ。 |
| 山崎拓: |
江戸川の河口にあたるんですね。水はちゃんと浄化されてきてるんでしょうか。 |
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堂本暁子: |
きれいなのもあるし、汚いのもあると思いますが、下水は必ずしも浄化されているとは限らないですね。江戸川からのヘドロもあるし、それをこれからどうするかも問題になります。 |
| 山崎拓: |
ある程度堆積してるでしょうから。 |
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堂本暁子: |
ええ、してます。そうです。 |